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ニュース解説

スマートホームを20年研究、普及のために大和ハウスが突破すべき壁

島津 忠承=日経SYSTEMS 2017/12/01 日経SYSTEMS

 スマートホーム事業に本格参入する大和ハウス工業。専用ブランド「Daiwa Connect」を掲げ、2018年1月6日に顧客への提案を開始する。その第1弾は、顧客の住宅設備や家電を自動制御するサービスだ。米グーグルのスマートスピーカー「Google Home」と、東京急行電鉄系のイッツ・コミュニケーションズのスマートホームサービス「インテリジェントホーム」を活用して実現する。

大和ハウス工業の渋谷展示場に設置されたスマートスピーカーと赤外線リモコン
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 大和ハウスは早くからスマートホームに挑戦してきた。1996年にスマートホームの研究を開始し、2001年には携帯電話のインターネット接続機能を利用してドアの施錠やエアコンの遠隔制御などができるシステムを発売した。今回のDaiwa Connectにおいても野心的な目標を掲げた。「Daiwa Connectの搭載率50%以上を目指し、スマートホーム市場におけるトップシェアを取る」(大友浩嗣取締役常務執行役員)。

 もっとも、スマートホームはIoT(インターネット・オブ・シングズ)の有力分野として以前から注目を集めてきたにもかかわらず、市場がなかなか広がってこなかった。この点は、スマートホームに早くから取り組んできた大和ハウスも当然理解している。同社の有吉善則取締役常務執行役員は「スマートホームの市場拡大を阻む壁が3つあるためだ」と指摘する。

 有吉氏が指摘する3つの壁とは、「複数のIoT機器を連携させにくい」「暮らしがどう変わるのか、顧客が利用イメージを想像しにくい」「セキュリティへの不安」だという。そこで大和ハウスはDaiwa Connectを展開しながら、3つの壁を解消する策を打ち出していく方針である。

機器連携、利用イメージ、セキュリティに課題

 1つめの複数のIoT機器を連携させにくいという壁は、IoT機器として動作する住宅設備や家電がそもそも少ないうえ、対応する通信規格も混在していることが原因である。個別に機器を操作するだけならそれぞれの機器の専用リモコンを使ったほうが早いことも多く、顧客にとっての利便性が高まりにくい。

 この壁に対して、大和ハウスは「当面の現実解」と「将来の構想」の2段構えで挑む。前者は、イッツ・コミュニケーションズのインテリジェントホームの活用である。インテリジェントホームは、赤外線リモコン、API連携サービス「IFTTT(イフト)」の組み合わせによって、様々な機器を制御する機能を備える。サービス開始から2年あまりの実績がある。大和ハウスが「顧客にとってなじみやすいデバイス」(有吉氏)と評価するGoogle Homeにも対応済みだ。

 後者の将来の構想では、スマートホームで複数のIoT機器や外部のWebサービスを柔軟に連携させて、顧客にサービスを提供することを目指している。この構想に向けた取り組みの1つが、同社が2017年4月から参加中の経済産業省の実証実験だ。同実験では、外部のサービスと連携しやすくする「統合WebAPI」を用意。これを利用して様々な機器や外部サービスと連携させる。さらに、人工知能(AI)を活用したデータ分析や、IoT機器の遠隔制御を実現するシステム基盤をパブリッククラウドの「Amazon Web Services(AWS)」上に構築。この基盤を利用し、顧客宅の機器などから取得したデータを活用したサービスの提供も視野に入れている。

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