日本ユニシスとソフトバンクテレコムは2014年12月にも信用金庫などの地域金融機関向けに、iPadを活用した営業支援システム「BANK_FIT-NE プラス」を販売する。導入の手間を省くため、業務アプリケーションとiPad、ネットワークなどを一括提供する見通し。まずは投資信託の営業向けアプリを投入。順次、利用できるアプリを追加していく。営業用途でタブレットを活用する動きはメガバンクから地方銀行へと広がっており、信金の導入意欲も高まっているとされる。全国で200を超える信金にも、タブレットの波が押し寄せそうだ。

 信金でタブレット導入への意欲が高まっている背景には、外回りの営業を強化したいという思惑がある。預金や融資といった利回りで稼ぐビジネスモデルが頭打ちとなるなか、投信販売などの手数料ビジネスに活路を見出そうとしているからだ。

 投資信託の営業向けアプリ開発には、朝日信用金庫が協力した。同社が提供する業務ノウハウや知見を基に、日本ユニシスが業務アプリを開発。ソフトバンクテレコムがセキュリティ機能の開発を担当した。今後、追加していくアプリの開発などにも、朝日信金が参加するものとみられる。金融機関、通信事業者、ITベンダーといった異業種がコラボレーションし、新ビジネスを推進する。

 BANK_FIT-NE プラスを使えば、接客中に顧客や金融商品に関するデータを迅速に参照できるようになる。訪問先からiPad経由で顧客の取引内容や預金情報、属性などを確認したり、金融商品について詳しく解説したりできる。従来は営業店で顧客情報を確認する手間がかかっていたが、それを省ける。金融商品のパンフレットを持参する必要もなくせる。さらに、顧客との交渉内容などを登録する機能を備え、CRM(顧客関係管理)システムとデータをやり取りすることも可能。地図機能などを使えるようにしており、営業活動の効率化を支援する。