京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は2016年11月9日、IoT向け通信サービス「SIGFOX」を2017年2月に開始すると発表した。フランスのSIGFOXが世界24カ国で展開中の同名サービスをKCCSが日本で展開する。

 省電力で広域をカバーするIoT向け通信はLPWA(Low Power Wide Area Network)と呼ばれる。SIGFOXもLPWAの一種だ。

 KCCSは、通信事業者としてネットワークの提供に専念する。ユーザー企業への販売は、KCCSと協業する約40社(11月14日時点)の「SIGFOXエコシステムパートナー」が請け負う。ユーザー企業には、SIGFOXエコシステムパートナーが製品やシステム構築込みのサービスとして提供する。2020年度までに累計接続デバイス数1500万台、年間売上高100億円を目指す。

仕様を割り切って低コストを実現

 SIGFOXの特徴は低料金、省電力、長距離伝送の3点だ。

 料金(KCCSからパートナーへの卸値)は、1日当たり2回のデータを送信する品目を、100万以上のIoTデバイスで利用する場合で年額100円から()。通信速度を100bpsと一般的な通信サービスより相当低く抑えることなどで、低価格を実現している。

図 KCCSが2017年2月に開始するSIGFOXのサービス概要
図 KCCSが2017年2月に開始するSIGFOXのサービス概要
年額100円から使えるIoT特化の通信サービス
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 低消費電力は、1回当たり12バイトと極めて少量のデータを、1日に2〜140回の規定回数だけアップロードするという割り切った仕様で実現。ボタン電池で5年運用可能を目標とする。