2016年11月8日午前5時ごろ、JR博多駅前(福岡市)の道路が陥没し、電気、通信、ガス、上下水道、電気などのインフラが利用できなくなった。この結果、ふくおかフィナンシャルグループ(ふくおかFG)に属する福岡銀行、親和銀行(長崎県佐世保市)、熊本銀行の3行は、営業店向けシステムを利用できなくなり、九州を中心とする全ての店舗で終日にわたって窓口サービスを提供できない状態に陥った。

博多駅前の道路陥没事故の様子。11月9日に撮影
博多駅前の道路陥没事故の様子。11月9日に撮影
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 システム障害の原因は、博多駅周辺にあるふくおかFGのコンピュータセンターと、同FGが勘定系システムを共同利用している広島銀行のコンピュータセンター(広島市)との通信が遮断され、勘定系システムの機能を利用できなくなったことだ。

 3行に通信サービスを提供するNTT西日本によれば、博多駅周辺の通信サービスに障害が発生したのは午前5時17分。対象は、加入電話など約50回線、光回線など約490回線、企業向け専用線など約60回線に及んだ。

 福岡銀行など3行は、入出金や振り込み、口座開設など全ての窓口業務を停止せざるを得なくなった。窓口業務のほか、一部のATM(現金自動預け払い機)とテレホンバンキングの取引も停止したという。

 営業店向けシステムや勘定系システム自体には影響は無かったため、各行はバックアップ回線に切り替えて復旧対応を進めた。「全てのシステムが回復したのは8日夜」(福岡銀行)という。NTT西日本は11月12日までに通信サービスを回復させた。