データセンター向けのハードウエアやソフトウエアを手掛ける大手ベンダー6社が、データセンター内にある多数のハードウエアの属性情報を収集するための業界標準作りに乗り出した。

 米インテル、米エマーソンエレクトリック、米デル、米ヒューレット・パッカード(HP)、米ブロードコム、米マイクロソフトの6社が2014年10月7日に「Scalable Platforms Management Forum」(以下、SPMF)を設立。それから1カ月も経たない同月30日にドラフト仕様を公開し、業界からのフィードバックを受け付け始めた。

 SPMFの狙いは、リモートでサーバーの構成や稼働状況を取得したり電源のオン/オフを行ったりするための業界標準のインタフェース「IPMI」(Intelligent Platform Management Interface)を作り変えることにある。

 「多くのITベンダーが、ソフトウエアでインフラの構成を定義する『SDI』(Software Defined Infrastructure)構想の実現に向けた動きを進めている。そのSDI構想に欠かせないのが、これまで取れなかったハードウエア情報も取得できる業界標準のインタフェースだった」。インテル ビジネス・デベロップメント データセンター事業開発部 シニア・スペシャリストの田口栄治氏は、SPMF設立の背景をこう解説する。

 IPMIは、プロセッサとストレージ、ネットワークインタフェースを備える従来型のサーバー群を管理するためのインタフェースだった。最近はHPの「HP Moonshot System」(関連記事:ARMもAtomもXeonも、日本HPが高密度サーバー「Moonshot」向けカートリッジを拡充)やデルの「PowerEdge FX」(関連記事:構成を柔軟に選択できる新型サーバー「PowerEdge FX」をデルが発表)といった、任意のカートリッジを選んで専用のシャーシに搭載できるサーバーが登場している(図1)。

図1●HPの「Moonshot System」のシャーシ(a)とデルの「PowerEdge FX」のシャーシ(b)
図1●HPの「Moonshot System」のシャーシ(a)とデルの「PowerEdge FX」のシャーシ(b)
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