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ニュース解説

「品質第一だが納期は死守せよ」、言行不一致が不正を招く

神戸製鋼と日産の不正から考える(後編)

古谷賢一=ジェムコ日本経営本部長コンサルタント 2017/11/15 日経テクノロジーオンライン
出典:日経テクノロジーオンライン 2017年10月24日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 神戸製鋼所の品質データ偽装と日産自動車の検査不正が発覚し、日本の製造業が培ってきた品質の信頼に揺らぎが生じている。法令遵守(コンプライアンス)問題と片付けるのは簡単だが、「高い倫理観に基づいた職場風土を求めるだけではこの問題は解決しない」と主張するのが、「技術者塾」において「半年でQCDを確実に高める 製造リーダーの実務と要点」の講座を持つ、ジェムコ日本経営本部長コンサルタントの古谷賢一氏だ。

 この問題を解決に導くには、「等身大の現場」を知る必要がある。同氏が生産現場(以下、現場)の不正の実態と解決策を前編と後編の2回に分けて解説する。後編では、不正行為の解決策を提案する。(近岡 裕=日経テクノロジーオンライン)

[画像のクリックで拡大表示]
古谷賢一=ジェムコ日本経営本部長コンサルタント

 管理者を含め、組織全体が意図をもって精緻に不正行為(改ざんや捏造)を行っている場合、その発覚は極めて困難だ。実際、不正行為の発覚は、社内(不正を知り得る立場にあった人)からの内部告発によるものが多い。外部からの指摘ではないという点が、発覚の難しさを物語っている。

 この点については、管理者から一般従業員に至るまで、遵法意識と高い倫理観を求めざるを得ない。特に、工場の管理者が率先して不正行為を誘導しているならば、改善方法は限られてしまう。

 組織の管理者全員が不正行為を積極的に容認しているという最悪のケースではなく、不正行為が一部の人たちだけの行為であれば、不正行為を回避したり早期に是正したりすることは可能だ。そのための効果的な手段は、検査の実態を「見える化」することである。

 誰もが実態を目で見て分かるようにしておけば、不正を働こうとする人をけん制することができる。見える化された状態で不正を行おうとすると、より多くの隠蔽工作をしなくてはならない。つまり、不正を行おうとする者にとっては面倒なことが増えてしまう。不正行為に至る道を少しでも困難にすることが防止策の1つと言える。

 情報技術(IT)の進歩により、検査結果が自動的にサーバーに蓄積されて、改ざんや捏造が物理的に不可能なシステムの構築も可能になってきた。最終的な不正の歯止め策としては有効な手段である。だが、費用や管理の負担を考えると、すぐに実践できる企業は限られることだろう。まずは工場の「足場固め」と捉えて、見える化を推進することを勧める。後にITやIoT(Internet of Things)化を進める場合でも、この足場固めは役に立つ。

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