日立製作所、富士通、NEC、NTTデータの国内IT大手4社の2014年4~9月期連結決算が出そろった。IT関連部門については、各社とも公共・金融分野を中心に国内SI事業が堅調で、富士通以外の3社が増収増益を達成した。
前年同期比で最も売上高を伸ばしたのがNTTデータだ。売上高は前年同期比13.5%増の6958億円、営業利益は同738.3%増の220億円だった。新規顧客の開拓や国内外の子会社の規模拡大などにより増収。大幅増益の原動力は、昨年度に収益を圧迫した6件の不採算案件の解消にメドを付けたことである。
NTTデータの岩本敏男社長は、「昨年度に起こった大型の不採算案件6件は既にグリップできている。今年はプラスの方向に行く予定」と言う。不採算案件6件のうち3件は既に稼働しており、残り3件のシステムについては、2014年度中に1件、2015年度中に2件をカットオーバーさせる予定という。
日立製作所も不採算案件の解消で、情報・通信システム事業の増収増益を達成。「2012年度に受注した大口の不採算案件は全て収束した」。同社の中村豊明副社長兼CFO(最高財務責任者)はこう言い切る。同社も公共・金融分野を中心としたSI事業や、ストレージ事業が好調で増収増益。情報・通信システム事業の売上高は前年同期比6.7%増の9349億、営業利益は同19.7%増の368億円となった。