大手ITベンダー9社の2015年4月~9月期の連結決算が出そろった。前年同期比で9社のうち8社が増収を、6社が営業増益を達成(表)。金融分野の旺盛なIT投資を追い風に、全体として好調を持続する。
ただし売上高上位の大手4社に限ると、明暗が分かれた。
好調なのは、日立製作所とNTTデータ。日立製作所の売上高は前年同期比5.6%増の4兆8068億円、営業利益は同3.9%増の2740億円となった。NTTデータも、売上高が前年同期比6.8%増の7432億円、営業利益は同41.3%増の311億円と増収増益。金融分野の銀行や共同システム、公共分野の電力会社、法人分野の流通業や製造業などで順調に受注を重ねた。
一方、富士通は売上高が前年同期比2.2%増の2兆2412億円だが、営業利益は同447億円減で124億円の営業赤字へ転落。NECは売上高が前年同期比1.3%減の1兆3081億円、営業利益は同38.0%減の133億円と減収減益だった。両社とも通信キャリアの投資抑制が逆風になった。富士通はWindowsXP更新需要の反動減も響いた。
PCと携帯事業を子会社に切り出す
経営体質を改善し営業赤字から脱却することが急務の富士通は、PC、携帯電話機器、ネットワーク機器の各事業で構造改革に乗り出す。