東京海上日動火災保険はディー・エヌ・エー(DeNA)のカーシェアリングサービス「Anyca(エニカ)」向けに、1日単位で加入できる自動車保険の提供を開始した。東京海上日動の基幹システムと外部のネットサービスを接続するという、同社にとって初の試み。ネットと保険という異文化企業同士で議論を戦わせた。
Anycaは自動車の所有者(オーナー)と利用者(ドライバー)をマッチングするサービス(写真1)。東京海上日動はAnycaの利用者を想定して、加入手続きの手間を既存の保険よりも7割以上減らし、スマートフォンから簡単に実行できるようにした。2015年9月、Anycaの開始と同時に保険の提供を始めた。
Anyca向け保険のためのシステム開発では老舗の大企業と新興ネット企業で「文化」が異なり、調整に苦労した。
東京海上日動は「1日自動車保険」の基幹システムを改修するとともに、DeNAのシステムとの連携機能を共同で開発した。スマホアプリ画面の開発はDeNAが担当した。基幹システムと外部のネットサービスを接続するのは、同社にとって初の試みである。
当初の思惑に食い違い
「最初は保険申し込みのWebサイトへ、利用者をそのまま誘導するつもりだった」。プロジェクトマネジャーを務めた、東京海上日動システムズ営業戦略推進本部代理店システムサービス部デザイナーの今井賢一氏(写真2中央)は、こう話す。