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ニュース解説

関係が泥沼化、京都市が7億5000万円請求するもIT企業は支払い拒否

井上 英明=日経コンピュータ 2017/11/04 日経コンピュータ

 京都市が進めていたシステム刷新の稼働が遅延している件で、京都市とシステム開発を受託したシステムズ(東京・品川)の関係が泥沼化している。京都市は開発遅延の責任を巡って2017年10月12日、システムズに対して10月27日までに約7億5000万円の損害賠償を支払うことを求めていた。ところがシステムズはこの支払いに応じなかったことが、日経コンピュータの取材で分かった。京都市とシステムズともに、訴訟に発展する可能性を否定していない。

 京都市の情報システム部門に相当する総合企画局情報化推進室は2014年から81億円を投じて、基幹系システムの刷新プロジェクトを進めてきた。この基幹系システムは、国民健康保険や介護保険といった福祉系のほか、徴税、住民基本台帳の管理など18業務を担うもの。NEC製メインフレーム上にCOBOLプログラムで構築したシステムで、稼働後約30年が経過している。

 福祉系のオンラインシステムはリライト(プログラムの他言語への書き直し)を無事終えたものの、システムズが受託したバッチシステムのリホスト(プログラム言語を変えない移行)が遅延。稼働予定の2017年1月に稼働できず、現在も稼働していない。

 これまでシステム刷新の失敗を巡り、京都市の発案で第三者の専門家による「検討委員会」が原因究明と今後の方策について検討する作業を進めていた。検討委員会は2017年6月、調査報告書を京都市に提出。京都市はシステムズと2017年8月29日と9月6日に面談したが、「遅延の原因に関する見解の開きが大きく、協議解決は困難であると判断せざるを得ない」(京都市が10月24日の京都市議会に提出した資料)ため、京都市は10月10日、システムズとの契約を解除した。

埋まらぬ溝、7億5000万円の請求へ

 京都市議会で京都市は、システム刷新が失敗した原因について「システムズの作業品質、プロジェクトマネジメント能力の問題」と主張。「調査報告書の内容を踏まえ、遅延の原因は本市に無いものと考える」としており、責任はシステムズ側にあるとの考えを示している。一方システムズは、「京都市が実施すべき現行システム分析の不備と、これによる基本情報の不足」と反論している。

 こうした状況を踏まえ、京都市は契約解除2日後の10月12日、システムズに対して7億5024万4003円を請求。内訳は、京都市がシステムズに2016年までに支払った5億662万5000円とその利息(2318万7307円)、ならびに現行システムの改修・運用費のうち、稼働遅延と「相当の因果関係」(同資料)があって、現時点で判明している損害賠償の2億2043万1696円(改修費は1億8710万1453円、運用費は3333万243円)である。

京都市がシステムズに請求した金額の内容
(出所:京都市)
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 損害賠償は今後も発生し、全体金額は試算できないという。京都市は大規模なシステム改修案件をいくつか抱えている。それらの案件に対して、今回のシステム刷新の遅延がどれくらい影響するのかを金額換算するのは難しいというわけだ。

 市議会で京都市は具体的に「国民健康保険の広域化、介護保険の総合事業、マイナンバーカードの旧姓併記、宿泊税。もっと大きい話は改元(元号の変更)がある」とした。改元は基幹系システムのプログラムの7割に影響があり、バッチシステム刷新のやり直しが2年以上かかるのと合わせると、全体の完成には3年程度かかる見通しだと明かした。

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