ソフトバンクや日本IBMなどの大手IT企業がPCの定型業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の新事業を相次いで発表した。特徴はRPAと人工知能(AI)を組み合わせること。単純なデータ入力といった定型業務にとどまらず、課題の抽出など高度な業務まで支援する。

 ソフトバンクは人型ロボット「Pepper」で培ったロボティクス技術やAI技術を、日本IBMは「Watson」をそれぞれRPA技術と連携させる。意思決定や課題解決策の提案と業務自動化を組み合わせたサービスを開発する。

図 ソフトバンクと日本IBMのRPA事業の概要
図 ソフトバンクと日本IBMのRPA事業の概要
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 「これまで取り組んできたロボットやAIと並ぶ事業の柱として取り組む」。ソフトバンクの今井康之副社長兼COO(最高執行責任者)はこう意気込みを語る。同社はRPA導入支援サービス「SynchRoid」を2017年11月1日から始めた。

 ソフトバンクはまず定型業務の自動化案件をできるだけ多くこなしてRPAによる生産性向上支援の知見を蓄積。AIやロボットを組み合わせて顧客企業の業務効率化や新サービス創出の支援につなげる考えだ。商業施設でPepperが来場者からその場で答えられない質問を受け付けたら、質問内容に含まれる単語などから最適な店舗や部署を特定してRPAでメールを自動送付したり、コールセンターのオペレーターに対話を引き継いだりする。