米アップルは2016年10月25日、決済サービス「Apple Pay」を日本で開始した。スマートフォン「iPhone 7」や腕時計型デバイス「Apple Watch Series 2」を交通機関の自動改札機や店舗の読み取り機にタッチすれば、支払いが済むようになった。交通・店舗における決済では、ソニーの非接触IC規格「FeliCa」に準拠した東日本旅客鉄道(JR東日本)の「Suica」と、NTTドコモの「iD」、JCBの「QUICPay」という3種類が使える(写真)。

写真●「Apple Pay」を利用し、「Suica」のICカードを米アップル製のスマートフォン「iPhone 7 Plus」に取り込むところ
写真●「Apple Pay」を利用し、「Suica」のICカードを米アップル製のスマートフォン「iPhone 7 Plus」に取り込むところ
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 携帯電話でFeliCaのサービスが使える「おサイフケータイ」のサービスが始まったのは、スマホが登場する前の2004年7月である。“12年遅れ”で投入されたApple Payはこれに似ているが、いくつかの制約がある点に留意が必要だ。

 米グーグルのAndroid OSを搭載する韓国サムスン電子やソニーモバイルコミュニケーションズなどのスマホメーカーは、FeliCa決済が広がる日本の実情に対応した日本限定モデルを投入してきた。アップルはあくまで非接触ICの国際標準規格(Type A/B)に準拠したApple Payを日本でも普及させる方針だと見られてきた。だが、結局はFeliCaに対応した日本限定モデルを投入することになった。