「世界中のツイート情報を分析することで、ビジネスの意思決定手法を一変させる」。米IBMのバージニア・ロメッティCEO(最高経営責任者)は、米国ラスベガスで10月末に開催したイベント「IBM Insight 2014」にビデオ出演し、米ツイッターとの提携の意義を語った。膨大なツイート情報をIBMのデータ分析クラウドで利用できるようにするほか、ツイート情報を分析・活用する業務アプリケーションを両社が共同で開発する。さらにIBMは、社内のコンサルタント約1万人を対象に研修し、Twitterデータの活用支援アドバイザーを養成する。

 ツイッターとの提携は、ロメッティCEOが推進するオープン戦略の目玉案件の一つだ。この半年だけでIBMは、クラウドサービスとモバイル業務アプリの分野で大手IT企業と相次いで提携。10月22日、クラウド分野で米マイクロソフトと提携することを発表。7月にはモバイル業務アプリの分野で米アップルと提携した。

 さらに注目すべきは、ツイッターとの提携が、IBMが注力領域とする「データ」「クラウド」「エンゲージメント(モバイル+ソーシャル)」といった3領域すべてに関わる案件という点だ()。ロメッティCEO自らツイッターの経営陣と交渉し、提携を取りまとめたということからも、極めて重要な協業であることがうかがえる。

図●「データ」「クラウド」「エンゲージ」の3分野に注力するIBMの戦略
図●「データ」「クラウド」「エンゲージ」の3分野に注力するIBMの戦略
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