NTTドコモは10月19日、LTE対応の「ドコモ ケータイ」向けに新料金プランの提供を21日に始めると発表した。音声通話定額の「カケホーダイライトプラン(ケータイ)」は5分以内の国内音声通話が無料で月1200円。2段階パケット定額の「ケータイパック」は毎月の通信量に応じて料金が変わり、月300~4200円(契約年数が15年以上の場合は「ずっとドコモ割」適用で3900円)とした。spモードの使用料(月300円)を含め、月1800円から保有できるという割安感を演出している。

写真1●秋冬モデル発表会でLTE対応ケータイ向けの新料金プランを発表するNTTドコモの吉澤和弘社長
写真1●秋冬モデル発表会でLTE対応ケータイ向けの新料金プランを発表するNTTドコモの吉澤和弘社長
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 これを受け、KDDI(au)は同日(10月26日に一部内容を変更)、ソフトバンクも翌日に同様のプランを発表して追随した。両社とも、かけ放題の料金は月1200円で同じだが、データ定額はKDDIが月0~4500円(10月26日に上限を4200円に変更)、ソフトバンクが月0~4200円となっている。データ定額が下限の0円に収まればNTTドコモより月300円安くなるが、0円で通信できる容量は500kバイトにすぎない。ソフトバンクは上限もNTTドコモにそろえて割安に見えるが、従量部分のパケット単価は1kバイト当たり0.04円と、NTTドコモやKDDIの同0.03円に比べて高くなっている。

 もっとも携帯電話大手3社のプランは似たり寄ったり。実際の利用では必ずしも割安にはならないだろう。今回の新料金プランで上限に達するまでの通信容量は、NTTドコモが約137Mバイト、KDDIが約147Mバイト(10月26日の変更後は約137Mバイト)、ソフトバンクが約103Mバイト。スマートフォンと同じ感覚で利用すれば、すぐに上限に到達する可能性が高い。料金の上限に達してもNTTドコモは2Gバイト、KDDIとソフトバンクは2.5Gバイトまで通信できるが、その際の料金水準に割安感があるわけではない。単純に2G~2.5Gバイトの中間メニューを追加しただけという見方が正しいだろう。各社の業績にマイナス影響が出るはずもなく、もっと魅力的なプランの登場に期待したい。