第45回東京モーターショーが2017年10月27日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕する。音声対話できる人工知能(AI)や自動運転など、自動車産業とITの関係が一層密接になっていることをうかがわせる展示が相次いでいるのが特徴だ。

音声で自動車を制御、トヨタや三菱自など

 トヨタ自動車は音声認識、表情解析、自動運転などのAI機能を実装し運転者を支援するコンセプト車「Concept-愛i」を披露する。東京モーターショーの同社ブースでは、Concept-愛iのAIによる運転支援機能を来場者が体感できるデモを用意している。

トヨタ自動車が東京モーターショーで披露するコンセプト車「Concept-愛i」
トヨタ自動車が東京モーターショーで披露するコンセプト車「Concept-愛i」
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 デモは米サンフランシスコ近郊をドライブする想定で、エージェントと音声対話しながら目的地に向かう。(1)「自動車に乗る頻度は」「休日の過ごし方は」など乗車前に来場者へ質問し、その結果に基づきドライブの目的地を提案する(2)目的地の詳細情報や天気、所要時間、経路の渋滞の有無などを運転者との音声対話により案内し、AIの回答に対する表情を基に運転者がうれしそうな表情をしていればさらに詳しく解説する(3)運転者の表情から感情を読み取って自動運転と手動運転を複数段階で切り替え、前方に危険があれば自動で停止する(4)ドライブ中の運転者の表情をカメラで分析し、目的地への到着後に最もうれしそうだった地点と最も驚いていた地点を案内する、といった機能を体感できる。同社はConcept-愛iの一部機能について、2020年頃に公道での実証実験を日本で実施する計画だ。

「Concept-愛i」が提唱する、AIエージェントと対話しながらの走行を体感できる。ディスプレイの手前にあるカメラで運転者の表情を撮影し解析している
「Concept-愛i」が提唱する、AIエージェントと対話しながらの走行を体感できる。ディスプレイの手前にあるカメラで運転者の表情を撮影し解析している
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定量化した運転者の感情の推移(下のグラフ)。位置情報と紐付け、うれしそうだった地点、驚いていた地点を解析する
定量化した運転者の感情の推移(下のグラフ)。位置情報と紐付け、うれしそうだった地点、驚いていた地点を解析する
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