米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は2015年10月6日~9日(米国時間)、年次イベント「AWS re:Invent 2015」を米国ラスベガスで開催。1万8000人を超える来場者を前に、新サービスや機能強化を次々と披露した。

 目玉の一つは、IoT(Inter net ofThings)の活用に向けた新サービス「AWS IoT」の提供開始だ。米アマゾン・ドットコムCTO(最高技術責任者)のバーナー・ボーガス氏は「IoTアプリをもっとシンプルに作れるようにしたい」と、IoT分野でも最先端を行く姿勢をアピールした(写真1)。

写真1●AWS IoTを発表した、米アマゾン・ドットコムCTOのバーナー・ボーガス氏
写真1●AWS IoTを発表した、米アマゾン・ドットコムCTOのバーナー・ボーガス氏
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 AWS IoTは、センサー機器やモバイルデバイスからAWS上にデータを集め処理するためのプラットフォーム。AWS上のシステム設計・開発を手掛けるクラスメソッド AWSコンサルティング部 シニアソリューションアーキテクトの大瀧隆太氏は、「実際に試して一通り動くことを確認した」と話す。利用料金はやり取りしたメッセージ数による従量制で、東京リージョンは100万メッセージ当たり8ドルだ。

 AWS IoTの主要コンポーネントは、「メッセージブローカー」と「ルールエンジン」の二つ。メッセージブローカーはセンサー機器と、MQTT(Message Queue Telemetry Transport)またはHTTPSで通信し、データを含むメッセージをやり取りする。

 メッセージブローカーからメッセージを渡されたルールエンジンは、SQLに似たクエリーでフィルタリングなどの処理を実行。その後、ストリームデータ処理サービス「Amazon Kinesis」やデータウエアハウス(DWH)サービス「Amazon Redshift」にデータをルーティングすれば、分析処理などが行える。