サーバーメーカーの業界再編が急速に進んでいる。世界シェア1位の米ヒューレット・パッカード(以下、HP)は2014年10月6日にサーバーなどの企業向け事業とパソコンおよびプリンター事業の2社に会社分割することを発表。シェア2位の米IBMは同月1日に中国レノボへのx86サーバー事業の売却手続きを終え、新体制で事業を開始した。

 背景には、世界のサーバー市場の縮小がある。米IDC(International Data Corporation)の調査によると、直近の2014年第2四半期こそ前年同期比3.9%増の127億米ドルと持ち直したものの、それまで5四半期連続で前年同期を下回っていた。2012年通期と2013年通期の比較では、出荷台数が3.2%増加し約900万台になったが、金額は497億米ドルと4.4%減だった(図1)。

図1●サーバーの世界市場規模。2012年通期、2013年通期、2014年上期それぞれの売上高ベースの企業シェアを示した。データは米IDC調べ
図1●サーバーの世界市場規模。2012年通期、2013年通期、2014年上期それぞれの売上高ベースの企業シェアを示した。データは米IDC調べ
[画像のクリックで拡大表示]

 サーバー市場で比較的好調なのが、米インテルのCPUを搭載するx86サーバーだ。売上高ベースの市場規模は2013年第3四半期から4期連続で前年同期を上回った。サーバー市場全体の中でx86サーバーが占める割合は2014年第2四半期には約79%となり、前年同期の約71%から8ポイント増えている。

 とはいえ、サーバーメーカーにとってはx86サーバー市場も安泰ではない。独自アーキテクチャーのCPUを搭載するサーバーに比べて、ベンダーごとのハードウエアの差異化が難しくなり、低価格化への圧力が強まるからだ。