京王グループ傘下で、東京都西部で約900台のバスを運行する京王電鉄バス(東京都府中市、写真1)が、サイボウズの業務アプリケーション構築クラウドサービス「kintone(キントーン)」を活用した業務システム刷新を進めている。運転士管理や遺失物関連サービス用途などで約150のアプリをkintone上で開発し、運用している。

写真1●京王電鉄バスの車両とキャラクター
写真1●京王電鉄バスの車両とキャラクター
(出所:京王電鉄バス)
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 kintone活用の最大の理由は、複雑化したシステム運用業務を簡素化することにある。管理部システム業務推進担当の虻川勝彦課長(写真2左)は、「社内では、予約管理から日々の運行・顧客サービスに必要なものまで数多くのシステムが使われている。営業所などの現場でExcelマクロで作成したシステムも広く使われており、会社としての統制が難しくなっていた。紙ベースの業務も残り、業務効率に問題があった」と説明する。

写真2●京王電鉄バス管理部システム業務推進担当の虻川勝彦課長(左)と佐々木宏幸氏
写真2●京王電鉄バス管理部システム業務推進担当の虻川勝彦課長(左)と佐々木宏幸氏
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 虻川課長は京王電鉄の情報システム部門出身で、京王電鉄のバス部門を分社化した京王電鉄バスに出向している。2011年から京王電鉄バス社内で使われているシステムの棚卸し作業を実施。そして、経営陣に「今、手を付けないと、システム運用が破綻する」と具申。システムと業務の見直しを本格化させた。