OSS(オープンソースソフトウエア)のSDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)ツールである「OpenDaylight」の商用展開が進んでいる。2014年11月にはブロケードコミュニケーションズシステムズがOpenDaylightのディストリビューション(検証済みパッケージ)である「Vyatta Controller」を出荷する。クラウドOS「OpenStack」との連携を強化することで、SDNツールの本命の座を目指す。

 OpenDaylightは、Linuxファウンデーションが2013年4月から開発を開始したOSSのSDN製品群。ネットワークの構成や機器設定をソフトウエアで集中制御する「SDNコントローラー」を軸に、管理対象のネットワーク機器を増やすための「プラグイン」や、SDNコントローラーの機能を外部のプログラムから利用可能にする「OpenDaylight API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)」などで構成する()。

図●OpenDaylightの構成図
図●OpenDaylightの構成図
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 LinuxファウンデーションがOpenDaylightの最初のバージョンである「Hydrogen」をリリースしたのは2014年2月のこと。2014年9月には2番目のバージョンである「Helium」をリリースしている。ブロケードのVyatta Controllerは、2番目のバージョンであるHeliumをベースにする。日本IBMは2014年2月に、最初のバージョンであるHydrogenをベースにした商用製品である「IBM SDN VE OpenFlow Edition」を発売済み。大手ベンダーがOpenDaylightの商用版を販売するのは、ブロケードがIBMに続いて2社目となる。

OpenDaylightの狙いは「SDN API」の共通化

 OpenDaylightの狙いは、「OpenDaylight API」をSDNコントロールの標準的なAPIとして広めることだ。SDNの世界では「ネットワーク論理分割」や「アプリケーションの挙動に応じたネットワーク経路制御」といったネットワーク機能は、SDNコントローラーのAPIを呼び出す「SDNアプリケーション」として実装する。