トレンドとなっているテクノロジーの期待度や普及フェーズなどを可視化する、米ガートナーの「ハイプ・サイクル」。その日本における最新版「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2017年」が、2017年10月3日に公開された。

 日本で注目すべき40のテクノロジーを選び出し、波形曲線にマッピング。どの技術が注目されていて、どの程度成熟しているかが分かるようになっている。

 2017年は新たに、「仮想パーソナル・アシスタント」「OSコンテナ」「ブロックチェーン」「生体認証」など、12のキーワードが追加された(図1)。「人工知能(AI)」や「IoT(インターネット・オブ・シングズ)プラットフォーム」「セキュリティ・インテリジェンス」「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」などは、2016年に引き続き選定されている。

図1●ガートナー ジャパンが発表した「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2017年」
図1●ガートナー ジャパンが発表した「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2017年」
(出所:ガートナー ジャパン、2017年9月)
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AIやRPAは「過度な期待」のピーク期

 2017年版の特徴は三つある。

 まず、AIやIoT、RPA、ブロックチェーンといった、今注目されているテクノロジーが、「過度な期待」のピーク期にあることだ。今後これらは、「幻滅期」へと向かっていく。実際に企業が活用していく中で、理想と現実に大きなギャップが生まれているという。

 ガートナー ジャパン リサーチ部門マネージング バイス プレジデントの山野井 聡氏は、「特にIoTは、すでにピークを越えて下り坂にさしかかっている。今後は実装実験とともに失敗事例も増え、企業は慎重に取り組むようになる」と分析する。