富士通は、2016年11月1日付でSE子会社3社を吸収合併する。子会社と本体に分散していた約1万4000人のSEを「グローバルサービスインテグレーション部門」に集約する(図1)。IoT(インターネット・オブ・シングズ)や人工知能(AI)を活用する「デジタルビジネス」に特化したSE部隊を配置。これらのシステム開発需要に応える。デジタルビジネス専門のSEを、2017年度末までに約1000人に増やす。
吸収する3社は、富士通システムズ・イースト、富士通システムズ・ウエスト、富士通ミッションクリティカルシステムズである。富士通が持つ20社の子会社のうち、最も規模が大きい3社だ。
従業員数は、富士通システムズ・イーストが約3900人、富士通システムズ・ウエストが約3300人、富士通ミッションクリティカルシステムズが約2200人。3社を吸収すると富士通本体は約9400人のSEが増える。吸収合併前は約4600人だった。
デジタルビジネス向けのSEが不足していた
子会社3社の吸収合併は、デジタルビジネス拡大の需要に応えるための布石だ。「分散していたSE約1万4000人の力を結集し、デジタルビジネス専門の組織を強化する」。富士通 取締役 執行役員専務 グローバルサービスインテグレーション部門長の谷口典彦氏は狙いを説明する(写真1)。
2017年1月に、IoTやAI、クラウドなどを活用したシステムに特化するSE部隊「デジタルビジネス推進」を設置。2017年4月に約300人、2017年度末には約1000人まで増やす。富士通本体と吸収合併する3社から集める。