米Amazon Web Services(AWS)や米Google、そして米Oracleが相次ぎクラウドの課金体系を刷新している。米AWSや米Googleは最小の課金単位を秒に変更。米Oracleは一定の支払金額を決めることで、その料金内であれば、同社のIaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)のサービスを自由に選択できる新たな課金体系を発表した。

 米Oracleが2017年9月19日(米国現地時間)に発表したのが、事前に決めた支払い金額内であれば、どのようなサービスでも選択可能にする新課金体系「Universal Credits」だ。利用者は月単位か年単位で支払い金額を決め、その範囲内であれば、IaaSでもPaaSでも契約の変更などを伴わずにサービスを選択できる。

米Oracleの新課金体系「Universal Credits」の概要
米Oracleの新課金体系「Universal Credits」の概要
(画像提供:米Oracle)
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 米Oracleの発表資料によると、Universal Creditsを利用することで、従来から同社が採用している従量課金制に比べてPaaSでは最大30%、IaaSでは最大15%のコスト削減になるという。

 Universal Creditsについて説明した米Oracleの会長兼CTO(最高技術責任者)を務めるラリー・エリソン氏は、「企業が求めているのはシンブルな契約。それを実現するのが、Universal Creditsだ」と強調。「AWSのような従量課金の計算方法は複雑すぎる」と、AWSの名前を挙げて批判し、新課金体系のメリットをアピールした。

米Oracleのラリー・エリソン氏
米Oracleのラリー・エリソン氏
(画像提供:米Oracle)
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米Oracleの狙いはオンプレからの移行促進

 米OracleはUniversal Creditsの発表と合わせて、ユーザーが持つ既存ライセンスをクラウドに持ち込み可能にする「Bring Your Own License(BYOL)」の開始も発表。これまでオンプレミスのOracle Database(DB)の利用者がOracleのDBサービス「Oracle Database Cloud Service」を利用する際に既存のライセンスを持ち込むことは出来なかった。