外食大手のダイヤモンドダイニングが、自前のインターネット予約サービスの強化に乗り出す。利用者が予約しやすいよう、同社の公式ネット予約サイトの機能を拡充。店舗向けのCMS(コンテンツ管理システム)も独自開発し、店舗担当者によるデータ入力の手間を抑えた。大手グルメ情報サイトがネット予約サービスを強化し外食企業の囲い込みに動く中、ダイヤモンドダイニングは自主路線重視の姿勢を打ち出す。外部への依存度を下げ、収益力を高める。

刷新したネット予約サービスのWebサイト
刷新したネット予約サービスのWebサイト
(出所:ダイヤモンドダイニング、以下同)
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 同社の公式ネット予約サービス「DD予約オンライン」を、2016年9月26日付で刷新した。刷新に伴うシステム開発費用は5000万円前後(本誌推定)。

 従来は各店舗の空席情報しか参照できなかったが、新たにコース料理の種類や内容、写真、店舗の地図などを参照できるようにした。サイトに掲載する情報は順次拡充する。

 利用者はDD予約オンラインのWebサイト上で、その時点での空席情報を参照しながら予約できる。同サイトで予約すると、利用者には同社グループの店舗で支払いに充当できる会員向けポイント「DDマイル」を付与する。

土佐料理の業態「わらやき屋」
土佐料理の業態「わらやき屋」
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 刷新に当たっては「多数の店舗ブランドの特徴を損なわないよう、予約サイトの使い勝手を高めることに気を配った」(ネット予約サービスを担当する松岡幸之介CRM企画部担当課長)。ダイヤモンドダイニング傘下の業態は70以上に上り、一つひとつ個性の強い店舗を運営している。まず40業態、110店舗のサイトで予約可能にして、対象の店舗を順次増やす。

 店舗の担当者は同社が独自開発したCMSを使い、PCなどのWebブラウザーからコースの情報や空席情報を入力する。入力画面は「自由記述する部分を極力減らし、メニューを選んで入力していけるようにした」(松岡課長)。

 ダイヤモンドダイニングは今後、新サイトを軸にしたデジタルマーケティング戦略を推進する。サイト利用履歴や来店履歴、会員向けポイントのDDマイルの利用履歴などのデータを蓄積、分析して、店舗やメニューの開発、顧客向けサービスの改善などに生かす。