川崎重工業(写真1)が、7つある社内カンパニーやグループ企業で共通で使うPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)システムの内製化を推進している。PLMシステムとは、企画から設計、製造、流通、販売、アフターサービスに至る製品の全行程を管理し、効率的な製品投入を支援するシステム。製造業の根幹に関わるCADデータや部品表、調達・製造・流通などのプロセスの管理を含む。こうしたシステムを社内で共通化・内製化することで、コスト削減と新事業・サービスへの迅速な対応を狙う。

写真1●川崎重工業の東京本社
写真1●川崎重工業の東京本社
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 新しいPLMシステムは2014年末から産業機械関連のカンパニーで利用を始めた。2016年9月までに、3カンパニーで利用中であり、1つのカンパニーと1つのグループ企業で導入プロジェクトが進行している。

内製化でコスト削減

 PLMシステムはこれまで、社内カンパニーがそれぞれ独自に外部ベンダーに委託して開発・保守しており、コストの増大や設計データ共有の困難さなどが課題になっていた。これを解決するため、2013年10月から「PLMシステム全社PaaS提供プロジェクト」を始めた。

 川崎重工本社企画本部情報企画部とシステム子会社のベニックソリューション(兵庫県明石市)が、PLMシステムの選定と構築を進めた。外部ベンダーに頼らずグループ内で“内製化”。従来に比べて構築費用を50%程度削減できたという。