米ヴイエムウェアが、同社製品をオンデマンドでAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)から提供する新サービス「VMware Cloud on AWS」を始める。「VMware vSphere」「同NSX」「同vSAN」といった同社の仮想化ソフトを、米AWSのデータセンターにあるサーバーや施設を使って、顧客が利用できるようにする。2017年8月29日(米国時間)に発表した。

 AWSの米国西部(オレゴン)リージョンから提供を始め、2018年中に全リージョンに広げる計画だ。早期導入する日本企業として、野村総合研究所(NRI)とリコーを紹介した。

 新サービスを使うと、ヴイエムウェアのソフトを利用したオンプレミスのシステムを変更せずにAWSに移行できるという。AWSのアンディ・ジェシーCEO(最高経営責任者)は「(運用管理ツールの)vCenterを使ったオンプレミスと同じ運用をAWS上で実現できる」と利便性を強調。ヴイエムウェアのパット・ゲルシンガーCEOは「新サービスを使えば、クラウドへの移行を加速できる」と意気込んだ。

 AWSは新サービスを通じてオンプレミスからの移行促進を狙う。手軽さを訴求し、腰が重いと言われる大企業を囲い込みたい考えだ。AWSに対しては、ライバルの筆頭である米マイクロソフトの「Azure」と比べて「オンプレミス環境からの移行支援ソリューションが弱い」との声が出ていた。

図 AWSのデータセンターでVMware製品を提供する「VMware Cloud on AWS」
オンプレミスとAWSの一括管理が容易に
図 AWSのデータセンターでVMware製品を提供する「VMware Cloud on AWS」
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