「皆さんと一緒にPepperを作っていきたい」――。

 ソフトバンクロボティクスの冨澤文秀社長は2014年9月20日、パーソナルロボット「Pepper」に興味を持つ開発者やクリエーターなど約1000人を集めたイベント「Pepper Tech Festival」で、このように呼びかけた(関連記事:ソフトバンクがPepperの開発者向けイベント開催、限定1台の「持ち帰り」抽選会も、関連記事:写真で見るPepperの開発者向けイベント、作曲家や家電リモコンになるPepper)。

 同イベントでは、来年2月に発売するPepperのアプリケーションを開発できるSDK(ソフトウエア開発キット)「コレグラフ(Choregraphe)」のプレビュー版を参加者に配布。アプリ開発の促進に力を入れることをアピールした。専用のアプリストアを用意する他、オンラインコミュニティーや体験の場(「アトリエ」と呼ぶ)を運営して開発者同士の情報交換も促進する。

 スマートフォンのようなアプリの開発・流通環境を整えるのは、ロボット分野では初めてのこと。新しい活躍の場として開発者を呼び込む狙いだ。

 コレグラフは、Pepperの開発元である仏アルデバランロボティクスが製造する複数のロボットに共通するSDK。今回新たにPepper独自の機構やセンサー、クラウドに対応した。

 コレグラフでは、Pepperの一連の挙動を、動作や情報処理の単位である「ボックス」を使って定義する。ボックスには「顔の検出」「姿勢の変更」などが用意されており、これらをGUIでつなぎ合わせたり時系列に並べたりして設定できる。また、Pythonなどの言語で独自のボックスを記述することも可能だ(写真)。

写真●Pepperの動きを定義できるSDK「コレグラフ」を配布
写真●Pepperの動きを定義できるSDK「コレグラフ」を配布
開発者向けイベント「Pepper Tech Festival」のSDK体験コーナーの様子。
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