2016年9月17日から一般公開が始まる「東京ゲームショウ2016」。VR(仮想現実)と並んで注目を集めているのが「ライブストリーミング」だ。プレーの様子をインターネットで生中継する同サービスの世界最大手、米Twitch(ツイッチ)が今回、初めて出展した。共同創業者のケビン・リンCOO(最高執行責任者)は、ゲームのプレーをスポーツとして競う「eスポーツ」を追い風に、利用者拡大を図る考えだ。

「良質なコミュニティがTwitchの強み」と語るリンCOO
「良質なコミュニティがTwitchの強み」と語るリンCOO
(写真:陶山 勉)
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 「娯楽のメインストリーム」。リンCOOはeスポーツの現状をこう表現する。世界最大のeスポーツ大会になると、ネットで視聴した人数は3000万人。これは米プロバスケットボールリーグ「NBA」の決勝戦を上回る規模だという。

 ここ10数年来、拡大を続けてきたeスポーツの潮流だが、「コンテンツの制作や配信など、企業の努力によって急速に広がってきた」(同)。

 象徴的な動きが、eスポーツのプレーヤーの存在感が高まっていること。日本人初のプロ格闘ゲーマーとして知られる梅原大吾氏だ。2016年3月に行われた、格闘ゲーム「ストリートファイター III」の試合のライブストリーミングで538万件を超えるの視聴数を獲得したことなどで、「ギネスワールドレコーズ」を新たに二つ獲得。自身の記録を三つに伸ばした。「これまでeスポーツのプレーヤーはほとんどが兼業だったが、今ではプロとして生計を立てるプレーヤーが増えている。この潮流は国を問わず世界で起こるだろう」(リンCOO)。