富士フイルムICTソリューションズの横山立秀取締役(写真)が2016年8月30日、東京・目黒の目黒雅叙園で開催した「第3回イノベーターズセミナー」(日経BP社 日経ITイノベーターズ主催)に登壇。「23カ国の人材を束ねる~異文化人材が集まる変革チームの作り方」と題し、海外人材で構成するチームのマネジメントのコツについて講演した。

 横山氏は1998年から2011年にかけて、欧米の富士フイルムグループ企業に欧州SAP製ERP(統合基幹業務システム)を導入した経歴を持つ。導入したのは、米国、ドイツ、フランスなど合計9カ国17拠点の工場や販売会社である。プロジェクトチームは現地法人の従業員のほか、外部企業の専門家で編成。十数年の海外生活の中でメンバーに迎えた人材の国籍の数は23カ国に及んだ。

「米国人、英国人、ドイツ人、フランス人といった国と一緒に仕事した方は多いかもしれませんが、南アフリカ人、トルコ人、ジョージア(グルジア)人、セルビア人などとプロジェクトを進めた方は少ないのではないでしょうか」(横山氏)。

写真●イノベーターズセミナーに登壇した富士フイルムICTソリューションズの横山立秀取締役
写真●イノベーターズセミナーに登壇した富士フイルムICTソリューションズの横山立秀取締役
撮影:井上 裕康
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 様々な国籍の人材が所属するチームを率いた経験から、横山氏は「海外では特に、メンバーを心の底から信頼し、任せることが不可欠」と話す。横山氏がこう考えるようになった背景には、最初のプロジェクトでの苦い経験がある。当時、日本にいたときと同じ感覚でメンバーに作業の進ちょく報告を求めていた横山氏に、メンバーは「Slave Driver(奴隷監督)」とあだ名を付けた。