ソフトバンクは2017年後半から米Googleのパブリッククラウドサービス「Google Cloud Platform(GCP)」の販売を強化する。6月に「Google Cloud Platform パートナー」の認定を取得。7月にはGCP専業のベンチャー企業であるクラウドエースと提携し、GCPの導入体制を強化した。2017年後半には顧客向けにセミナーなどを開始し、企業向けシステムの基盤としてのGCPの導入をアピールする。

 「GCPの販売を開始してから、既に顧客から多くの引き合いがある」。ソフトバンクの鈴木勝久ICTイノベーション本部 クラウドサービス統括部 統括部長はこう話す。パートナー認定後3カ月で既に、「具体的な実装に入っている案件もある」(鈴木統括部長)という。

 企業向けのパブリッククラウドサービスを見た場合、競合に当たる米Amazon Web Servicesの「Amazon Web Services(AWS)」と米Microsoftの「Microsoft Azure」が2強といわれる状況だ。

 対抗するGCPが強みとするのは、ビッグデータ処理やAI(人工知能)関連のサービスだ。一方で、日本国内でのデータセンターの開設からまだ1年経っていないなど、企業向けシステムの基盤としての採用は遅れている。

 こうした中でも、ソフトバンクは先行する二つのサービス同様、企業向けシステムでの広い採用を目指してGCPを売り込んでいく方針だ。「これまで先進的なWebサービスのみが利用しているといった、GCPのイメージを変えていく。企業向けシステム基盤としてクラウドサービスを選択する場合、AWSかGCPか、となるような状況を目指して生きたい」と鈴木統括部長は話す。

ソフトバンクの鈴木勝久ICTイノベーション本部 クラウドサービス統括部 統括部長(左)とクラウドエースの吉積礼敏 代表取締役社長 
ソフトバンクの鈴木勝久ICTイノベーション本部 クラウドサービス統括部 統括部長(左)とクラウドエースの吉積礼敏 代表取締役社長 
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