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ニュース解説

もうインクカートリッジに頼らない、プリンターメーカーの針路

岡村 秀昭=フリーランス・ライター 2017/09/07 ITpro

 インクのランニングコストを低く抑えた、新型のインクジェットプリンターが、各社から登場している(写真1)。先駆けはセイコーエプソン。2016年1月に「エコタンク搭載モデル」「Colorio V-edition」と呼ぶ新たな製品シリーズを打ち出し、以降も精力的にラインアップを強化している。競合メーカーでは2016年8月にブラザー工業が、低インクコストをうたう「DCP-J983N」を発売。キヤノンも2017年9月に、低インクコストの「PIXUS XK」シリーズを投入する。

写真1●各社の低インクコスト機の例。左から、エプソン「EW-M571T」、キヤノン「PIXUS XK50」、ブラザー「DCP-J983N」
(出所:左から、エプソン販売、キヤノンマーケティング、ブラザー工業)
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 インクコストを低く抑えるということはメーカーにとって、従来型なら追加で購入されるインクカートリッジで得られた利益が減るということにほかならない。そこで、減るとみられる利益をあらかじめ回収するために、新型プリンターは本体価格が高めに設定されている。

 ユーザーにとっては初期投資こそ従来より大きくなるが、維持コストが抑えられる。このため、印刷枚数が多いユーザーほどトータルでのコストは有利になるはずだ。

 各社の代表的なモデルのコスト傾向をチェックしてみよう。

ランニングコストの低さはタンク方式が圧倒的

 まず各社主要モデルのインクコストを、スペックが近い従来タイプのインクジェット機と一覧表の形で比較した(表1)。表の値は各メーカーが計測したスペック値だが、各社とも国際標準のISO/IECが規定する印刷サンプルと測定方法に従って算出しているため、大まかな相互比較はできる。印刷コストは、A4文書はインク代だけ、L判写真はインク代に純正写真用紙代を加えた金額だ。

表1●A4複合機の最安印刷コスト(赤文字は低インクコスト機)
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 ここ1~2年で登場してきた低インクコストの製品は、大きく二種類に分けられる。

 一つは、インクを大容量タンクから供給する製品。エプソンの「エコタンク搭載モデル」が開拓した新分野で、タンクのインクが減ったらボトルから注ぎ足す。この方式では、A4カラー文書の1枚コストは1円前後まで抑えられる。

 A4カラー文書のコストは一般に、レーザープリンターでは10円台前半、ビジネスインクジェットプリンターで安くても6~10円程度の場合が多いので、それと比べればインクコストは10分の1から数分の1になる。

 もう一つは、従来同様にインクカートリッジ使いつつ、ランニングコストを引き下げた製品。カートリッジに入っているインクの容量を増やすことで、インク容量当たりの単価を抑えている場合が多い。こちらのA4カラー文書のコストは最安で5円前後。コスト削減効果は、大きくても従来方式の半分程度までとなっている。

 両者を比べれば、コスト削減効果はタンク方式の方が圧倒的に高い。ただし、タンク方式は製品単価が高いため、ある程度の印刷枚数がないと初期投資が回収できない可能性もある。

 各社は代表的な機種について、スペックの近いインクジェットプリンターや、似た使われ方をするレーザープリンターと比べた場合のコストグラフを公表している。

 エプソンのエコタンク搭載モデル「EW-M770T」を従来型ビジネスインクジェット機「PX-M650F」と比べた場合、同社のシミュレーションによると約4300枚を印刷した時点で元が取れて、以降は印刷するほどコストダウンになるという(図1)。

図1●エプソンのエコタンク搭載モデル「EW-M770T」のトータル印刷コストを、従来型ビジネスインクジェットプリンターの「PX-M650F」と比較したグラフ。同製品のサイト(http://www.epson.jp/products/ecotank/ewm770t/feature_1.htm)で公表されている
(出所:エプソン販売)
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 この“損益分岐点”は、プリンターを5年間使うとして年間900枚弱、月間で約70枚になる。ちなみにEW-M770Tは、染料と顔料の黒インクを両方搭載する高画質モデルで、本体価格も7万円前後と高い。

 4色インクを採用するもっと価格の安い下位モデル「EW-M670FT」と「PX-M650F」を同様に比べると、3000枚弱の印刷で元が取れる計算になりそうだ。

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