2016年度に入社を予定する学生の獲得競争が、8月以降激しさを増している。日本経済団体連合会(経団連)の指針で、2016年度に向けた採用スケジュールが大幅に繰り下げられたことが一因だ。面接などの選考活動が解禁されるのは、卒業年度の8月。経団連加盟の大企業などは、8月に面接を開始するケースが多い。

 一方で、外資系企業や中小企業などでは、この指針に沿わずに採用活動を進め、7月までに内定を出すところが少なくない。その是非はともあれ、早く採用を始めた企業にとっては、大手企業の採用活動が本格化する8月以降、既に内定を出している学生を囲い込むことが大きな課題になる。

 そこで、大学生になじみが深い「LINE」と同様のユーザーインタフェースを備える、社員同士のコミュニケーション用ツールを、内定者向けに流用する企業が増えている。

 その1社が、首都圏を中心にストレッチやボディケアなどの店舗「Re.Ra.Ku」を展開するリラク。2015年8月に、トークノートの企業向けSNS「Talknote」を内定者とのコミュニケーションに使い始めた。

画面1●「Talknote」のメッセージング機能の画面例
画面1●「Talknote」のメッセージング機能の画面例
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 Talknoteは、チャット形式でユーザー同士がコミュニケーションできる機能を備える(画面1)。LINEに似た感覚で使えるため、内定者もスムーズに使いこなせる。リラクにとっても個々の内定者と手軽にやり取りできるし、やり取りの内容を管理しやすいというメリットがある。

 同社は、店舗開発や事業戦略などを手掛ける「総合職」と、店舗で店長やセラピストなどを務める「専門職」という二つの職種で新卒学生を採用している。このうち特につなぎ止めに苦心しているのは、人数の多い専門職だ。2016年度の採用目標は、250人に上る。これだけの内定者一人ひとりと連絡を取り合うのは一苦労だ。

■変更履歴
9月7日の公開時点では第4段落に「首都圏を中心にストレッチやマッサージなどの店舗「Ri.Ra.Ku」を展開するリラク」という表現がありましたが、正しくは「首都圏を中心にストレッチやボディケアなどの店舗「Re.Ra.Ku」を展開するリラク」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2015/9/7 13:30]