欧州SAPが23年ぶりに刷新した、ERP(統合基幹業務システム)を中心としたビジネスアプリケーション製品「SAP Business Suite 4 SAP HANA (S/4HANA)」。日本での本格展開に向け、パートナー企業による支援策を強化している。

 富士通やNEC、日本IBM、アクセンチュア、アビームコンサルティングといったIT大手が2015年6月から8月にかけて、S/4HANAへの移行や導入を支援する製品やサービスの提供を始めた。

 S/4HANAは従来製品である「SAP Business Suite」と異なり、データベースをインメモリー型の「HANA」に統一するなどアーキテクチャーを一新(関連記事:SAPが23年ぶりにERP製品を全面刷新、「HANA」を基盤にSaaS統合)。2月にオンプレミス版、第2四半期(4~6月)にパブリッククラウド版の提供を開始した。

 SAP製品の利用企業は、S/4HANAの利便性を評価しつつ、システムをスムーズに移行できるかを不安視する声も出ている。有力パートナーが新規導入や移行を支援することで、S/4HANAの導入に弾みをつける考えだ。

グローバルシステム構築をテンプレートで支援

 IT大手によるS/4HANA導入支援策は、大きく2種類ある。一つはテンプレート。共通する機能や設定をひな型として提供し、導入を容易にするものだ。