東急グループのゼネコンである東急建設は2015年7月から、工事現場にある建機類の所在や稼働状況のデータを取得して活用する「建機IoT(Internet of Things)」の実証実験を始めた。2020年東京オリンピック・パラリンピックを前にした建設ラッシュのために業界は活況で、建機などの余剰も少なくなっている。建機自体からインターネット経由でデータを取得し、配置を効率化する狙いがある。

写真1●東急建設が開発した建機IoTシステムの概念図
写真1●東急建設が開発した建機IoTシステムの概念図
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 建機類に取り付けたセンサーのデータを収集・管理する情報システムを新たに開発した(写真1)。まず8月末までの約2カ月間、工事現場2カ所で合計10機程度の建機類にセンサーを取り付けて運用した。今後、システムやデータの評価を進め、さらに多くの現場に運用を拡大する方針だ。

 建機類にセンサーを取り付けて稼働状況(運転中/停止中)と位置情報を自動取得。携帯データ通信網(3G)を経由してクラウド上のサーバーへと送信する。これをサーバーに集約し、グラフや地図などの形で表示する(写真2、3)。

写真2●バックホウ(油圧ショベル)などの建機類の稼働状況を可視化
写真2●バックホウ(油圧ショベル)などの建機類の稼働状況を可視化
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写真3●工事現場内での建機類の位置を地図上に表示
写真3●工事現場内での建機類の位置を地図上に表示
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 広大で全体の俯瞰が難しい工事現場でも、現場監督が手元のタブレットなどで即時にWebサイトで一覧できるようになった。事後に稼働状況を確認して再配置などに役立てることもできる。