ERP(統合基幹業務システム)パッケージ最大手の欧州SAPは2017年後半にかけて、新たなソフトウエア製品群「SAP Leonardo」関連のサービス提供を加速する。SAP LeonardoはIoT(Internet of Things)やAI(人工知能)、ビッグデータ処理などに必要な機能を提供する製品群。同社はERPに続く2つ目の事業の柱として注力する構えだ。

 「Leonardoはデジタル時代のプラットフォームになる」。欧州SAP プレジデント・クラウド・ビジネス・グループ/エグゼクティブ・ボード・メンバーを務めるロバート・エンスリン氏は強調する。同氏はLeonardoについて「多岐にわたるデータの活用に必要な機能に加えて、システムの構築を支援する方法論やユースケースを提供していく」と話す。

欧州SAPでCloud Business Groupのトップを務めるロバート・エンスリン氏
欧州SAPでCloud Business Groupのトップを務めるロバート・エンスリン氏
(撮影:陶山 勉)
[画像のクリックで拡大表示]

 SAPがLeonardoを発表したのは2017年5月。「SoE(System of Engagement)」と呼ばれる、ビジネスに直結する領域のアプリケーション構築を支援する製品群と位置付けている。同社の業務アプリケーション製品「S/4HANA」と同様に、SAPのPaaS(Platform as a Service)である「SAP Cloud Platform」で動作する。

 SAPの現在の主力製品はS/4HANAだ。S/4HANAは2015年3月に、23年ぶりに発表したERP分野の新製品で、ERPのほかSCM(サプライチェーン管理)やCRM(顧客関係管理)といったアプリケーションで構成。バックオフィス業務を支援する「SoR(System of Record)」領域を支援する。

図●「SAP Leonardo」の位置づけ
図●「SAP Leonardo」の位置づけ
[画像のクリックで拡大表示]