日本IBMは2015年8月24日、Linux専用のメインフレーム「LinuxONE」を提供開始した。z Systemsシリーズと同じハードウエアでLinuxを稼働させる。これまでもLinux専用メインフレームは提供してきたが、新たにLinuxONEを使ったプライベートクラウドを開始した。月額98万円(税別)からで、リソースに応じた従量課金制となる。初期費用は本体価格の1~2割程度に抑え、導入しやすくする。

 Linux専用メインフレームは、一般的なPCサーバーと比較して高額だ。数千台規模の仮想サーバーを集約できるメリットがある。LinuxONEのハイエンドモデル「LinuxONE Emperor」は、最大8000台程度の仮想サーバーを集約できる。

図●日本IBMの発表したLinuxONEのターゲットとする分野
図●日本IBMの発表したLinuxONEのターゲットとする分野
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 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などから得られる大量のデータをリアルタイムに処理・分析するSoE(Systems of Engagement)と呼ばれるようなシステムを、ユーザー企業が構築する主な用途を想定する()。日本IBMは顧客接点を強化してビジネスに生かすSoEの需要が今後高まり、市場が拡大すると見込む。

 LinuxONEは、SoEの迅速なシステム開発を想定して、データ処理エンジンの「Apache Spark」やコンテナ管理ソフトの「Docker」、環境構築ツールの「Chef」などのOSSを採用する。