「ゼロからの創業から無事に1周年を迎えることができた。ありがとうございます」。VAIO株式会社は2015年8月19日、2015年6月8日に社長に就任した大田義実氏の社長就任会見を開催した(関連記事:VAIO大田新社長が事業方針説明、海外進出やロボット受託製造に注力写真1)。大田氏は2014年7月1日の設立から1周年を迎えられたことに対する感謝の言葉で会見を切り出した。

写真1●2015年6月8日にVAIOの社長に就任した大田義実氏
写真1●2015年6月8日にVAIOの社長に就任した大田義実氏
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 創業時に社長を務めた関取高行氏は、6月8日付で代表権のない取締役副会長に就任した。現在はオペレーション担当取締役執行役員に就き、8月には取締役も退任するという。創業1年での社長交代は珍しい。これには90%超の株式を保有する日本産業パートナーズ(JIP)の意向が反映されている。大田氏は社長就任の経緯について「株主から選定された」と答えている(関連記事:「スマホは主体性持った商品開発が前提」、VAIO大田新社長就任会見、一問一答)。

2年目のテーマは「自立と発展」

 大田氏は創業1年目を「会社の基盤作りに注力した年」と総括し、2年目は「自立と発展がテーマ。稼ぐ力作りと飛躍への布石を敷く」と述べた。1年目はソニー時代からPCのVAIO事業に関与していた関取氏が社長を務め、新会社の円滑な立ち上げに従事した。関取氏の下で「会社の基盤が整い、製品ラインアップも一通りそろった」(大田氏)ことから、今度は販売力強化のために外部から大田氏が招へいされた。

 大田氏はニチメン(現双日)や双日といった商社での経験を持つ。2010年以降はサンテレホンなどで社長を務めた。大田氏は自身の経歴について「商社出身で営業や財務の経験がある」と語った。PC事業に関与していた関取氏と違って、「外からの視点でVAIOの良い点や悪い点が見えた」(大田氏)とする。

 継続的に利益を上げる企業に生まれ変わるため、大田氏は「営業部の設立」「PC事業の海外展開」「新規領域事業の育成」を掲げた。