建設機械大手のコマツは、部品の補給拠点で使う物流管理システムの刷新を進める。国内外の18拠点が対象だ。国内拠点から海外の補給拠点にいち早く部品を供給する体制を整えるのが狙い。既に部品供給のリードタイムを半減する効果が得られた(写真1)。2016年9月に石川県小松市の粟津補給センタに新システムを導入する。関東、北海道の補給拠点に続き、3拠点めの導入だ。関西や九州の補給拠点でも導入を計画している。
「部品の供給が遅れれば、現場の建機の稼働率が下がってしまう。補給部品をいち早く供給する狙いで、これまでカイゼン活動を続けてきた。物流システムの刷新はその一環だ」。コマツ 生産本部 部品管理本部 管理部 部長の伊東孝行氏はこう話す。
コマツは世界中で販売している建機の部品を、自社の補給拠点から供給できる仕組みを構築している(図)。オイルやエンジン部品などの建機部品が消耗した顧客は、コマツの補給拠点から部品の供給を受ける。補給拠点が午後5時までに受注すれば、その日のうちに出荷する。いわゆる「即日出荷」を実現している。
内製からパッケージソフトに切り替えデジタル化
補給拠点では物流管理システムの刷新を進め、海外の補給拠点への部品供給のリードタイムを短縮する効果を狙う。
使うのは、日立物流ソフトウェアが提供する物流センター管理システム「ONEsLOGI/WMS」だ。導入における投資金額は非公開。コマツ 生産本部 小山工場 生産技術部 生産技術課 主任技師 鈴木和幸氏は「他ベンダーの製品に比べて導入コストは半額程度に抑えられる」とする。