ロボット開発に携わる企業や大学が、子どもを対象にイベントを開催する動きが相次いでいる。介護・福祉向けをはじめとするサービス用ロボットの市場は、20年後には約5兆円と一大産業に成長すると見込まれる。一方で子どもの理系離れが問題とされ、同分野の将来を担う人材育成が急務だ。ロボットに親しみを持つ子どもを増やすことで、中長期的なロボット市場の拡大を狙う。

 電通、東京大学先端科学技術研究センター、トヨタ自動車、ロボ・ガレージ(京都市)は2015年8月22~27日、日本科学未来館(東京都江東区)でロボット宇宙飛行士「KIROBO」を公開する。KIROBO本体および関連品の展示のほか、開発者トークショーや音声合成ソフト体験、塗り絵のワークショップなどを用意し、親子で楽しめる催しとする。

 KIROBOは、2012年に始まった「KIBO ROBOT PROJECT」で宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力のもと開発されたヒト型の会話ロボットだ。無重力環境やロケット打ち上げ時の衝撃に耐えうるかなど宇宙での使用に向けた12の試験を突破し、初のロボット宇宙飛行士として2013年8月~2015年2月に国際宇宙ステーション (ISS) に滞在。ISS内で若田光一飛行士と会話実験を実施した。

 ソフトバンクロボティクスは「『ISETAN meets Pepper』スペシャルハッカソン」を2015年8月22日に開催する。今回のイベントは、バンタンデザイン研究所高等部の学生がPepperの活用方法を考え、それに基づきPepperに組み込むアプリを開発。併せてPepperの外観に装飾を施し「スペシャルPepper」を仕上げ、アイデアの斬新さなどを競う。優秀作品は8月26~9月1日に伊勢丹新宿店で展示する。