東京・青山に、近未来的な次世代プリンターが出現した。

 といっても、今、流行の3D(3次元)プリンターではない。

 文書を紙に印刷する通常のプリンターなのだが、なんとロボット掃除機「ルンバ」のように、自ら部屋の中を移動するのだ。

 多忙な現代のビジネスパーソンに向けて、印刷物を律儀に席までデリバリーしてくれる、賢いロボット型プリンターなのである(写真1)。

写真1●ロボットが印刷物を席までデリバリー
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写真1●ロボットが印刷物を席までデリバリー

 場所は、東急不動産が運営するノマドワーカーなどに向けた会員制のサテライトオフィス「ビジネスエアポート青山」。ライブラリーやWiFiなどが設置されたフリーアドレス型のラウンジに70席ほどが用意されており、その席の間を縫うようにロボット型プリンターが徘徊する。

 PCなどから文書の印刷指示を出すと、ロボットが印刷物のデリバリーに向けて自動的に移動を開始。席を立たずとも、会議や商談を続けながら印刷物を受け取れるのが売りだ。

 最近では、米アマゾン・ドット・コムが小型の無人ヘリ(ドローン)を宅配に利用する計画を打ち出すなど、自ら動くロボットを顧客満足度向上に役立てようとする動きが活発になっている。今回のロボット型プリンターも、屋内環境限定とはいえ、“自走型”の価値を探る動きといえるだろう。