写真1●AOKI五反田店の外観
写真1●AOKI五反田店の外観
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 AOKIがオムニチャネル戦略を本格化させている(写真1)。同社は2014年6月、CRM(顧客関係管理)システムを全面的に刷新。今後も機能追加や改善を続ける方針で、オムニチャネル化を実現するための基盤整備を着々と進めている。

 2014年8月7日に4~6月期の連結決算を発表したAOKIホールディングスは、前年同期に比べて3割の減益に陥った。消費増税に伴う駆け込み需要の反動に見舞われた主力のファッション事業が苦戦したことが主な要因である。同事業を担うAOKIはオムニチャネル戦略を掲げ、巻き返しを図る。

スマホアプリをオムニチャネルの基点に

 AOKIは2015年2月、実店舗で使うポイントカードの会員とEC(電子商取引)会員を管理する顧客データベース(DB)を統合する。これにより同社は、約1500万人に上る顧客情報を一元的に管理できるようになり、オムニチャネル戦略の土台が完成する。

 AOKIの会員情報は従来、四つの顧客DBに分散していた。ポイントカード会員は基幹系システムを稼働させるメインフレームのDBで管理しており、PC向けメルマガの会員とモバイル向けメルマガの会員、ECの会員管理にはASPサービスを利用していた。

 それぞれのDBが保有する顧客情報は連携しておらず、重複もある。一つのターゲット層に対して、複数チャネルで連動した販促施策を打つのは難しく、非効率的でもある。そこでAOKIはCRMシステムの刷新プロジェクトで、まずはポイントカード会員と両メルマガ会員の顧客DBの統合を済ませた。