現在のシステム開発では、すさまじい勢いで技術が進歩している。ソフトウエアエンジニアは、この技術の進歩についていかなければ一線級の開発者としてやっていけない。そのためには、様々な方法で最新技術にキャッチアップし、腕を磨く必要がある。

 腕を磨く方法は人それぞれだ。「趣味でサービスやソフトウエアを開発する」「オープンソースソフトウエアの開発に参加する」「勉強会で発表して自分の知識を整理する」「最新技術を解説したWeb記事や書籍を読む」などなど。所属している企業のソフトウエア開発を通して腕を磨いているエンジニアも多いだろう。

 そこに、一つの興味深い選択肢が加わった。「他社のソフトウエアを開発して腕を磨く」というもの。ある企業に所属しながら、高い技術力を持つ別の企業にあたかも“留学”することで、エンジニアとしてのグレードアップを果たした事例だ。

ある日突然、会議室に呼び出し

 留学したのは、Web関連企業であるSpeeeの畑中悠作氏。2014年4月に新卒で入社した若手エンジニアである(留学について同氏が書いた開発者ブログ)。留学を受け入れたのは、企業内の情報共有ツール「Kibela」を提供しているビットジャーニーだ。

左から畑中氏、ビットジャーニーの井原氏と藤氏
左から畑中氏、ビットジャーニーの井原氏と藤氏
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 ビットジャーニーの井原正博 代表取締役はSpeeeの開発部顧問、同じくビットジャーニーの藤吾郎氏はSpeeeの技術顧問も務めている。あるとき、井原氏、Speeeのエンジニア育成を担当する是澤太志氏、開発部を統括する取締役の3人で話をしているとき、「Speeeのエンジニアの能力を上げていくにはどうすればいいか」という話題が出た。