オークション運営大手のオークネット(東京・港)が、事業の中核となるオークション基盤システムの刷新を進めている。まず2016年春に、主力の中古車(四輪)オークション用の新入札システムを稼働させた(図1)。

図1●オークネットの新システムのオークション入札画面。Webブラウザーで動作
図1●オークネットの新システムのオークション入札画面。Webブラウザーで動作
(出所:オークネット)
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 50ミリ秒単位で価格が変動するオークションの機能を、双方向通信プロトコル「WebSocket」で実装したのが大きな特徴だ。今後、花きやデジタル機器などのオークションへの展開も検討している。

 オークネットの中古車オークションは全国にある100以上の会場とインターネット上で開催され、年間400万台程度を扱う。約7500店の中古車販売店が会員としてオークションに参加し、顧客に売る中古車を仕入れている。

 入札システムは、中古車販売店がインターネット経由でオークションに参加できる仕組みを提供する。オークション開催中は、上り通信では「誰が入札したか(価格を上げたか)」というデータを送り、下り通信では「最新の価格と、落札できたか」というデータを受け取る。やり取りするデータ量はわずかだが、価格は1秒に20回、50ミリ秒単位で変動するため、リアルタイムに近い厳密な通信制御が求められる。

Javaアプリからブラウザーへ移行

 システム刷新の狙いは二つある。

 一つは従来のJavaアプリケーションの置き換えだ。10年ほど前からJavaをベースにした入札システムを保守・運用してきた。当時はWebブラウザーだけでは厳密な通信制御ができなかったため、代わりにJavaアプリを採用。中古車販売店のPCにインストールしたJavaアプリ(クライアント)とオークネットのサーバーの間で通信する仕組みをとった。