2016年8月4日に開催されたイベント「HARDTALK TOKYO」
2016年8月4日に開催されたイベント「HARDTALK TOKYO」
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 ハードウエア製品を開発するスタートアップ企業に特化したイベント「HARDTALK TOKYO」が、2016年8月4日に開催された。同イベントの主催は、パリ・台北・サンフランシスコを拠点とするベンチャーキャピタル(VC)のHardware Club。ハードウエア・スタートアップ企業のエコシステムを拡大・活性化することを目的に、世界各地で「HARDTALK」と呼ぶイベントを開催している。HARDTALK TOKYOは、その日本版となる。このところハードウエアの開発および支援事業に力を入れるリクルートホールディングスが、開催に協力した。

 今回のイベントは、ハードウエア製品開発に取り組む大企業メーカー、VC、クラウドファンディング運営者らが次々と登壇し、10~15分程度でモデレーターと対談する形で進められた。

 例えば、クラウドファンディング「Kickstarter」のディレクターを務めるJulio Terra氏は、クラウドファンディングの成功の秘訣として、熱烈なファンを集めたコミュニティーを構築すべきだとした。また、クラウドファンディングがうまくいかない例として、コストの見積もりが甘いケースが少なからずあるという。

 ハードウエア製品を支援するベンチャーキャピタルMISTLETOEのCGOを務める大蘿淳司氏は、Terra氏の発言を受けて、「ネット上のバズ(大きな反響)を作るうえで、動画の役割が大きい」とした。その動画の内容については、製品紹介に終始することなく、「誰にどう売るのか」を購買者の視点で作成すべきだと語った。

 大蘿氏は、MISTLETOEがハードウエアベンチャーを支援する理由についても言及した。それは、「ここに来て、ネットがリアルな問題を解決できるようになってきたから」で、具体例としてルワンダにおける、ドローン活用型の血液輸送を挙げた。「特定の領域で遅れていた国が、一気に最先端になることもある」というのだ。

 リクルートホールディングスの麻生要一氏は、ハードウエアスタートアップ企業を支援する事業「BRAIN PORTAL」などの活動を一通り紹介したあと、その背景を説明した。また、ソニーと取り組んでいる共同ワークショップにも言及した。

 そのソニーからも、ビジネスディベロップメント部門統括部長の上川衛氏が登壇、社内の新規事業への取り組みを紹介したうえで、「このところ起こっているものづくりの民主化は脅威でもありチャンスでもある」とした。

 このほか同イベントでは、ハードウエアベンチャーによる製品デモや懇親会が行われた。