CADソフトで設計した金型部品の3Dデータを、Webサイトにドラッグアンドドロップする。すると30秒ほどで、発注した場合の見積もり価格と納期が表示される。加工条件や発注の数量を変更したところ、リアルタイムに見積もり価格も変わっていく――。

画像●meviyのサイトの画面。3Dデータをアップロードすると、約30秒で見積もり価格と納期を表示してくれる
画像●meviyのサイトの画面。3Dデータをアップロードすると、約30秒で見積もり価格と納期を表示してくれる
(画像提供:ミスミ)
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 このWebサイトは、金型部品大手のミスミが2016年6月にサービス開始した「meviy」だ(画像)。金型部品の品揃え1600万点を持つ同社が、過去の販売履歴を基にしたデータベース(DB)を作成。利用者はWebサイトに3Dデータをアップロードすると、その形状が認識される。過去の販売DBと照らし合わせ、見積もり価格や出荷日などを自動で算出、表示してくれる。利用料は無料で、24時間365日稼働している。

 「これまで金型部品の発注には、2次元の設計図面を用意する手間があり、工数と手間がかかっていた」。ミスミ 金型企業体 事業開発室の吉田光伸ジェネラルマネージャーはこう話す。

 金型部品の設計には、3DのCADソフトを使うのが主流になっている。しかし吉田氏によれば、部品の加工業者に見積もりや発注を依頼しようとすると、2次元の設計データを提出する必要がある。「2次元の設計データを提出してから、1週間~2週間待たされるケースもある」(吉田氏

 同社の試算によれば、従来の見積もりや発注方式に比べて、発注までにかかっていた時間を94%短縮できるという。

 meviyの利用者は、価格や納期の見積もりだけでなくWebサイトを通じて発注も可能だ。サイトは会員制で、登録者は発注ボタンをクリックして条件を選択していくだけで発注が完了する。「最短で2日以内にお届けできる。金型部品を注文できるAmazon.comのようなWebサイトを目指す」(吉田氏)。