ファミリーマートは2017年7月末から「次世代POS(販売時点情報管理)レジ」の導入を始めた。全国の約1万8000店に順次展開し、2018年2月までに導入を終える。POSレジを全面刷新するのは約11年ぶりだ。

ファミリーマートが導入を進める「次世代POSレジ」(右)と、旧POSレジ
ファミリーマートが導入を進める「次世代POSレジ」(右)と、旧POSレジ
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 2014年から進めてきた「次世代店舗システム」導入の総仕上げに当たる。投資額はPOSレジだけで約110億円(検品などに使う小型店頭業務端末を含む)。各店に設置している「ストアコントローラー(ストコン)」など、次世代店舗システム全体では約300億円と巨額だ。

 ファミリーマートは並行して、経営統合した「サークルK・サンクス」の店舗で「ファミリーマート」へのブランド転換を進めている。ブランド転換は2018年8月までに完了させる予定で、これに合わせて、旧サークルK・サンクス店舗にも次世代POSレジを導入する。

店舗スタッフの負担軽減を狙う

 次世代POSレジは従来機と同様に東芝テック製。サイズを13%縮小し、電子マネー決済用の読み取り機も1台にまとめてレジカウンターのスペースを有効活用できるようにした。

 三澤健司・上席執行役員システム本部システム開発部長は、「刷新の最大の狙いは、操作を簡素化し、店舗スタッフの負担を減らすことだ」と説明する。

 コンビニエンスストアは商品販売以外に、公共料金の収納代行や宅配便の引き受けなど同じレジで多様なサービスを扱う。小売業は少子高齢化などで慢性的な人手不足に悩まされており、限られた人材を奪い合う傾向が強まっている。「食品スーパーなどに比べてコンビニのレジ業務は大変だと思われがちで、スタッフ採用時の障壁になっていた」(三澤上席執行役員)。