情報キュレーションアプリ「グノシー」を提供するGunosyが、全社を挙げて人材獲得の取り組みを強化している。2016年6月に、エンジニア獲得をミッションとする組織を新設。さらに同月末に移転した新オフィスには、獲得した人材の定着を意識した設計を盛り込んだ(写真1)。

写真1●Gunosyが6月末に開設した新オフィス
写真1●Gunosyが6月末に開設した新オフィス
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 従来、エンジニアの採用は人事部門が担ってきた。開発部門が求める人材像を人事部門に伝え、人事部門が人材紹介会社などに照会するといった形だった。これでは時間がかかるし、希望の人材に巡り会える確率も低かった。

 対照的にうまくいっていたのが、社員の紹介だ。社員が自らの人脈を生かし、技術コミュニティなどでの知り合いや前職の同僚を自社に招き入れるケースが以前からあった。このほうが、求める人材を素早く獲得しやすい。そのことに気づき、開発部門が採用活動に積極的に関与する方針に転換。「人事・組織開発部」と呼ぶチームを立ち上げた。

 ユニークなのは、人事・組織開発部の布陣だ。採用担当者だけでなく、広報担当者と、社内の情報システム(情シス)担当者を加えた。同部が、「社内コミュニケーションの活性化」を核に人材獲得力を高める戦略を採ったためだ。

 なぜ、社内コミュニケーションが人材獲得力の強化につながるのか。同社の担当者は「社内のコミュニケーションが円滑なら、自分の会社の魅力を社外の人にも伝えたいという気持ちが自然に高まる。こうして100人の社員が一人ずつ人材を連れてきてくれれば、それだけで新たに100人が集まる」と説明する。まずは今いる社員に自社の魅力を感じてもらうことで、社外へのアピール力を高める。