ソニーとパナソニックが、電子お薬手帳ビジネスに乗り出している。ソニーは2014年7月から、2013年秋から試験運用している「電子お薬手帳サービスharmo(ハルモ)」の運用地域を拡大(写真1)。パナソニックヘルスケアは7月15日に、電子お薬手帳を運用できるサービスを、「ヘルスケア手帳」の名称で調剤薬局に向けて発売した。

写真1●ソニーの電子お薬手帳サービスharmoは、Felica技術を採用している
写真1●ソニーの電子お薬手帳サービスharmoは、Felica技術を採用している
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 お薬手帳は、医療機関が処方する医薬品の名称や回数などを記録する手帳。従来の紙のお薬手帳は、紛失しやすい、薬局へ持参し忘れやすい、などの欠点があった。お薬手帳を電子化することで、利用者はスマートフォンのアプリで処方箋の情報や服用履歴を管理でき、紛失を減らすことができる。薬局側は患者の服用履歴を正確に把握できることで服薬指導を確実なものにし、調剤事業の質を向上させることができる。

ソニーは試験運用の地域を拡大

 ソニーは2014年7月1日から、「電子お薬手帳サービスharmo(ハルモ)」運用の試験地域を拡大した。同サービスは2013年秋に神奈川県川崎市全域で試験運用を開始し、調剤薬局108店舗と調剤を行うクリニック4拠点で運用していた(7月8日時点)。拡大する試験地域は横浜市4区(青葉区、都筑区、鶴見区、港北区)で、既に66の薬局に導入が決定、そのうち21薬局では運用を開始している(7月8日時点)。