日立製作所が2016年5月からグループ内で提供しているIoT(インターネット・オブ・シングズ)プラットフォーム「Lumada」の構成要素が明らかになった。
Lumadaは、日立が2016年4月1日付で組織したサービス&プラットフォームビジネスユニット(BU)が開発を進めている、IoT活用のソリューション製品群。同社はLumadaの開発に、2016年度から3年間で1000億円を投資すると発表している。
Lumadaは決まったソフトウエア製品を指すものではなく、日立が強みとする鉄道や電力事業向けのOT(オペレーショナルテクノロジー)や、企業内の情報システム向けのデータ処理、分析技術を結集したものだ。「対象となる顧客の事業に合わせて、提供するソフトは変わってくる」。Lumadaの開発に携わる、日立製作所 サービス&プラットフォームBU 制御プラットフォーム統括本部 制御プラットフォーム開発本部 本部長の大橋章宏氏はこう話す。
Lumadaの構成要素は大きく6つに分かれる(図)。「ソリューションコア」「ライブラリ」「データ分析」「ストリームデータ処理&バッチデータ処理」「データレイク」「基盤」だ。
このうち、Lumadaの中核となるのはソリューションコア。これは、Lumadaの活用事例を基に作成した成功モデルのこと。グループ内の鉄道や電力BUなどで活用を進め、得られた成功モデルを汎用化する。「ソリューションコアは、それぞれの事業の付加価値を高める型紙のようなものだ」(大橋氏)。ソリューションコアを使えば、ユーザーは既存の事業に対して、ゼロからIoT活用モデルを検証、作成する必要は無くなる。