中国のスマートフォン決済サービスが日本に上陸する。中国版LINEと呼ばれるメッセージングアプリ「WeChat」の決済サービス「WeChat Payment」だ。売りは利用者が店頭でスマホを見せるだけで支払いが済む手軽さ。訪日中国人の「爆買い」需要を取り込むのが狙いだ。購買履歴データをもとに中国本土での販促も支援。日本と中国、両国にわたる「O2O」を可能にする。

写真1●WeChat Payment日本参入を発表する財付通(テンペイ)助理総経理の朱立強氏
写真1●WeChat Payment日本参入を発表する財付通(テンペイ)助理総経理の朱立強氏
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 「日本を訪れる中国人観光客の大多数は、スマホのメッセージングアプリにWeChatを使っている。新たな決済サービスで中国人観光客の買い物が大いに楽になるだろう」。こう語るのは中国テンペイの朱立強 助理総経理だ(写真1)。同社はWeChatを運営する中国のネット大手、テンセントの子会社で、決済サービスWeChat Paymentを提供する。

写真2●スマートフォン画面のバーコードを読み取って決済する「WeChat Payment」
写真2●スマートフォン画面のバーコードを読み取って決済する「WeChat Payment」
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 WeChat Paymentとは消費者のスマートフォンを使って、小売店での買い物代金やサービス利用料金を支払えるサービスだ。支払いの際には、店側がスマホやタブレットの専用アプリに金額を入力する。消費者は金額を確認して、WeChatのアプリから同機能を呼び出すと画面にバーコードが表示される。これを店側の端末のカメラで読み取ると、決済が完了する(写真2)。