トレンドマイクロが2017年6月6日、NFV向けのセキュリティVNFを提供すると発表した。一般企業ではあまり聞き慣れない「NFV」「VNF」はいったい何を指しているのか。この二つは、企業システムの「オール仮想化」に欠かせない重要なキーワードなのだ。

 NFV(Network Functions Virtualization)とは、専用のハードウエアで構築していた通信事業者のネットワークを、汎用サーバーを使った仮想化基盤上で実現する技術である。欧州電気通信標準化機構(ETSI)で規格化されている。専用ハードウエアの機能を、ハイパーバイザーで動く仮想マシン(VM)で実装し、ネットワークを動かすというものだ。

通信事業者を変えるNFV
通信事業者を変えるNFV
(出所:日経コミュニケーション2014年4月号)
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 高価な専用ハードウエアを使わないで済むのでコストを抑えられるメリットがある。また、ハードウエアとソフトウエア(仮想マシン部分)を分離できるので、自由な組み合わせで構築できるというメリットもある。もちろん運用の柔軟性も高まる。